どらやきといっしょに。

うさぎのさくらは

走って隣町にかけて行きます

だいじな友だちの

くまのきりちゃんが熱をだしたので

きりちゃんの大好物のどら焼きを

バスケットにいれてとどけます

つやつやのあんに

元気になるおまじないをかけて

ふかふかのまあるいカステラで

はさんで

いそぎます

きりちゃんは苦しくないかしら

お薬はちゃんと飲めたかしら

とんとんとんとん、

扉をノックします

きりちゃんの大好きな

どら焼きを持ってきたよ

きりちゃんのママが

しあわせな気持ちになる

紅茶をいれてくれました。

バスケットからどら焼きを出すと

突然

魔法使いのおばあさんがでできて

きりちゃんの真っ赤なほっぺたに

ばらの香水をそっとふきかけました。

みるみるうちに

きりちゃんの顔が元気になったのでした。

おばあさんがいいました。

そのどら焼きをもらうよ

あんたの作ったお菓子がないと

わたしゃ家にかえれないんだ

さくらときりちゃんは

おばあさんに紅茶とどら焼きを

プレゼントして

見送ります

きりちゃん、あしたは

いっしょに学校に行こうね

ふたりでお絵描きして

たくさん遊んで

安心して

さくらは家路につけたのでした

魔法使いのおばあさんは

ほうきに乗って空からふたりを

ながめながら

さくらにつぶやきました

あんに、もう少し塩がきいてたら

ちょいとは 

アタシが

わかいすがたで

かえれたのにねえ。